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不動産業界では、不動産会社が売却を依頼された物件を、他の不動産会社を通して買わせない「囲い込み」が慣例となっていました。しかしこの囲い込みは、すべてではありませんが一部が処分対象となっています。ここでは通報窓口や違法性の高い囲い込みについて紹介します。
囲い込みによって他社への物件紹介を不当に妨げるなど、宅地建物取引業法に違反する疑いがあり、かつ、対象の不動産会社が国土交通大臣免許の場合は、管轄する地方整備局などが通報先となります。北海道開発局や関東地方整備局など、全国のブロックごとに設置された担当窓口へ連絡しましょう。
■窓口
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000020.html
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000018.html
対象の不動産会社が都道府県知事免許で、かつ、囲い込みによる宅建業法違反の疑いがある場合は、免許を付与している都道府県の宅建業担当部署へ相談します。大臣免許と知事免許では相談先が異なるため、事前に公式HP等で対象の不動産会社の免許を確認のうえ、適切な窓口へ相談しましょう。
■窓口
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000019.html
物件情報がレインズに登録されていない、または取引状況の表示が実態と異なるなど、レインズ登録に関する不正が疑われる場合は、レインズの運営機構に直接相談することが可能です。なお、レインズは東日本・中部圏・近畿圏・西日本などエリアごとに運営機構が分かれているため、対象物件の所在地に応じた窓口へ連絡する必要があります。
■窓口は東日本・中部など各レインズ公式窓口から(東日本の場合は下記)
https://www.reins.or.jp/contact/
囲い込みを疑われるものの自分では判断できない段階で、取引上の問題点や今後の対応について第三者の意見を聞きたい場合は、宅建協会の相談窓口も利用できます。例えば東京都宅建協会の不動産相談所では、不動産取引に関する一般相談のほか、保証協会会員との宅地建物取引について苦情解決相談も受け付けています。
■窓口
https://www.tokyo-takken.or.jp/business/consultation-office
通報先を誤らないためには、契約書や名刺に記載された免許証番号を確認することが重要です。免許証番号は「東京都知事(1)第○○○○○号」のように表記され、冒頭が大臣免許か知事免許かを示し、括弧内の数字は免許の更新回数を表します。免許番号が不明の場合は、国土交通省の検索システムで確認できます。
参照:国土交通省|建設業者・宅建業者等情報検索システム(https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/takkenKensaku.do)
次に違法の疑いがある・違法性が高い囲い込みの特徴について紹介します。以下のどれかに当てはまっている場合、違法な囲い込みの可能性がありますので通報することが可能になります。
専任媒介契約を締結した場合、不動産会社は契約日より7日以内にレインズへ物件の情報を登録しなければならない義務を負うことになります。もし7日経ってもレインズに登録されていない場合、その時点で宅建業法違反にあたることから囲い込みを疑ったほうがよいでしょう。
レインズに掲載されたとしても、取引情報に相違がある場合は要注意です。専任媒介で売却活動を行う場合、売り出し中にはレインズ上で「専任公開中」と表示されることになります。しかし買い手がついていないにも関わらず「申し込みあり」などに変更されている場合、囲い込みで他社からの問い合わせを妨害している可能性があります。
前述の通り、専任媒介契約を締結した場合にはレインズへの登録義務が生じるので、「一般媒介」として契約すること免れようとする業者も存在します。専任媒介契約で話をしていたにも関わらず一般媒介として契約を締結されてしまう場合は囲い込みを疑ったほうがよいでしょう。
レインズや民間が運営するポータルサイトなどに物件情報を登録すると、市場に物件情報が公開されるので一定の問い合わせが発生します。しかし売却活動をスタートして数か月経っても問い合わせがない、もしくは極端に少ない場合は囲い込みを疑うほうがよいでしょう。一方で売却活動の方法に問題がある・積極的に営業活動をしていないなどといったケースも少なくありません。
レインズやポータルサイトにきちんと掲載されていたとしても、物件情報が少ない場合には買い手の購入検討まで至らない場合があります。不動産会社によっては他社に紹介したくないという理由で敢えて情報を少なくして公開しているケースもあります。すべてを任せきるのではなく、掲載される内容を確認することも重要です。
他社の不動産会社から実際に問い合わせや内覧の申し込みを行ってもらったにもかかわらず、元付の不動産会社から「申込みはない」などと説明されるなど、他社側に残る記録と自社への説明が食い違っているケースは、囲い込みを疑う手がかりになります。
売却活動中、「他社からの問い合わせはない」と説明されるだけでは囲い込みとは断定できません。ただし、他社が実際に問い合わせた記録や内覧依頼を断られた記録があり、その内容と売主への説明が食い違う場合は、事実関係を確認する必要があります。
専属専任媒介契約や専任媒介契約では、レインズへの登録完了後、不動産会社から登録証明書が交付されます。登録日や売出価格、所在地などを確認し、媒介契約の内容と食い違いがないか確かめましょう。
登録証明書に記載されたID・パスワードなどを使うと、売主専用画面から登録内容や取引状況を確認できます。「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」のいずれかを確認し、実際の状況と一致しているか記録します。
担当者とのメールやチャットは、いつ、どのような説明を受けたかを確認できる資料です。「問い合わせがない」「内覧希望者はいない」などの回答があれば削除せず保存し、後から他社への問い合わせ結果などと照合できるようにします。
他社から問い合わせがあった日時、対応した担当者名、実際に伝えられた回答内容は、時系列で整理しておくと後の照合がしやすくなります。曖昧な記憶に頼らず、その都度メモを残すことが大切です。
不動産ポータルサイトや不動産会社のホームページへの掲載状況も確認します。掲載ページのURL、確認日、画面の保存などを残しておけば、販売活動の状況を確認する補助資料になります。掲載終了の時期も記録しておきましょう。
専任媒介契約では2週間に1回以上、専属専任媒介契約では1週間に1回以上、不動産会社から業務処理状況を報告する義務があります。報告書という書面に限らず、メールなどでの報告も含め、内覧記録とあわせて保管しておきましょう。
通報時には、対象となる土地の所在地、面積、売出価格など、物件を特定できる情報を整理しておきます。レインズ登録証明書や媒介契約書に記載された内容を基準にまとめれば、窓口側が対象物件を把握しやすくなります。
囲い込みを行っている不動産会社の商号と、契約書や免許証に記載された免許証番号を控えておきましょう。免許証番号は通報先を決める際に必要な情報です。担当支店名もあわせて記録しておきます。
一般媒介、専任媒介、専属専任媒介のどれを締結しているのか、契約日とあわせて確認します。特に専任媒介と専属専任媒介には、レインズへの登録や業務処理状況の報告など一定の義務があるため、違反の有無を確認するうえで重要な情報です。
「問い合わせがないと説明されたが、他社からは紹介を断られたと聞いた」など、囲い込みを疑うに至った経緯を具体的に整理します。憶測ではなく、担当者から受けた説明やレインズの表示、他社への確認結果など、確認できた事実を時系列で記録しておきましょう。
他社からの問い合わせや内覧依頼が断られた場合は、その日時、不動産会社名、担当者、問い合わせ方法などを記録します。売主への説明と他社への回答に食い違いがあれば、その経緯を確認できるメールやメモなどもあわせて整理します。
通報にあたって、行政指導を求めるのか、事実確認を求めるのか、媒介契約の解除を検討しているのかなど、自分がどのような対応を望んでいるかを整理しておきます。なお、行政の通報制度は個別トラブルの仲裁や売却活動の改善を目的とするものではないため、売却方法の見直しは別に検討する必要があります。
これまで集めた資料をもとに、実際に起きた事実と自分の推測を明確に分けて時系列にまとめます。「○月○日に他社が内覧を申し込んだが断られた」「同日に担当者から問い合わせはないと説明された」など、日時と出来事を客観的に整理しましょう。
通報先ごとに、電話・書面・専用フォームなど提出方法や必要な様式が異なります。事前に窓口の公式サイトなどで受付方法を確認し、指定の様式がある場合はそれに沿って漏れなく作成しましょう。
レインズ登録証明書、売主専用画面の記録、メールやチャット、業務処理状況の報告、他社への問い合わせ記録など、通報窓口の様式や案内に従い、経緯を裏付ける資料を準備します。
通報後は、担当窓口から事実確認のための連絡や追加資料の提出を求められることがあります。なお、調査には一定の時間がかかるため、進捗を問い合わせつつも、焦らずに落ち着いて待ちましょう。
調査の過程で通報者の情報が対象の不動産会社に伝わる可能性があるかどうかという点について、必要があれば事前に通報窓口へ確認しておきましょう。通報後ではなく、通報前に確認しておくことをおすすめします。
通報内容をもとに調査が行われ、宅建業法違反が確認された場合は、監督処分などにつながる可能性があります。宅建業者に対する監督処分には、指示処分、業務停止処分、免許取消処分などがあります。
ただし、通報すれば必ず処分されるわけではありません。行政は提供された情報をもとに事実関係を確認し、違反行為が確認できた場合に監督処分などを行います。実際には囲い込みを行っていたとしても、証拠が不十分で違反と断定できない場合、処分に至ることはありません。
通報はあくまで不動産会社の業法違反を是正するための手続きであり、通報したこと自体が物件の売却促進につながるわけではありません。売却活動そのものを進めるには、別の対応が必要になります。
売却活動そのものを改善したい場合は、不動産会社に販売活動の説明や改善を求めることはもちろん、契約期間や解約条件を確認したうえで、媒介契約終了後に依頼先を変更するなど、通報とは別に売却方法を検討することとなります。

不動産の売却活動を成功させるためには、周辺エリアの「情報」や物件の「情報」、ターゲットの「情報」などさまざまな情報が必要になります。しかし不動産会社の囲い込みをされてしまうとその情報がうまく流れず、売却活動が滞ってしまう恐れがあります。このサイトでは土地売却についてさまざまなコンテンツを公開していますので、正しい「情報」をしっかりとキャッチアップして成功を目指してください。