相続した土地を売る際にかかる税金

※このサイトは株式会社フリーダムリンクをスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

目次

相続不動産を売却する際には、主に以下の4つの税金がかかります。ここでは、それぞれの税金の特徴と金額の目安をご紹介します。

  • 相続税
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 譲渡所得税

相続税

相続税の基礎控除額の計算方法

相続税は、遺産の総額に応じてかかる税金ですが、遺産の総額が一定額以下であれば、課税されません。この一定額が基礎控除額で、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」の計算式で求めます。たとえば、法定相続人が3人の場合、3,000万円に1,800万円を加えた4,800万円が基礎控除額で、遺産の総額がこれ以下であれば、相続税はかかりません。法定相続人の数には、相続を放棄した人も含めて数えますが、養子は、被相続人に実子がいる場合は1人、いない場合は2人までと決められています。

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円

参照元:相続税の計算│国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm)

土地の評価額の調べ方

相続した土地が、相続税の課税の対象になるかどうかは、土地の評価額によって決まります。相続税の計算では、売却の価格ではなく、国税庁が定める方法で、土地の価値を評価します。評価の方法は、土地のある地域によって、路線価方式と倍率方式の2つに分かれ、どちらが適用されるかは、国税庁の路線価図・評価倍率表で確認できます。この資料は、国税庁のホームページにある「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で、誰でも閲覧できます。

項目路線価方式倍率方式
適用される地域路線価が定められている地域(主に市街地)路線価が定められていない地域(主に郊外など)
計算の方法路線価×各種補正率×土地の面積固定資産税評価額×評価倍率
確認する資料路線価図評価倍率表

市街地で用いられる路線価方式

路線価方式は、道路に面した標準的な宅地の1平方メートルあたりの価額(路線価)をもとに、土地を評価する方法で、主に市街地の土地に用いられます。評価額は、路線価に、土地の形や奥行きなどに応じた補正率をかけ、さらに土地の面積をかけて計算します。たとえば、路線価が1平方メートルあたり20万円、面積が100平方メートル、補正率を1.0とすると、評価額は2,000万円となります(仮の例です)。路線価図では、路線価が千円単位で表示され、数字のあとのアルファベットは、借地権割合を示す記号です。路線価は、毎年、国税庁が公表しており、相続の開始した年のものを使います。

郊外で用いられる倍率方式

倍率方式は、路線価が定められていない地域の土地を、評価する方法で、主に郊外などの土地に用いられます。評価額は、毎年の固定資産税の納税通知書などに記載されている固定資産税評価額に、地域ごとに定められた評価倍率をかけて計算します。たとえば、固定資産税評価額が1,000万円で、評価倍率が1.1倍の場合、評価額は1,100万円となります(仮の例です)。評価倍率は、評価倍率表で、地域や土地の種類ごとに確認します。路線価方式と倍率方式は、土地ごとに、どちらか一方が適用され、自分で選ぶことはできません。評価の方法が分からない場合は、税務署や税理士に相談できます。

参照元:土地家屋の評価│国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4602.htm) 財産評価基準書 路線価図・評価倍率表│国税庁(https://www.rosenka.nta.go.jp/)

相続税を抑える小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例は、被相続人が、自宅や事業のために使っていた土地を相続した場合に、一定の要件を満たせば、土地の評価額を減額できる制度です。減額の割合は、土地の区分によって異なり、特定居住用宅地等と特定事業用宅地等では、限度面積までの部分について、評価額を80%減額できます。土地の評価額が下がれば、相続税の課税対象となる遺産の総額も減るため、相続税を抑えられます。ただし、区分ごとに、土地を相続する人や、使い方などの要件が決められており、要件を満たさない場合は、適用されません。

区分限度面積減額割合
特定居住用宅地等330㎡80%
特定事業用宅地等400㎡80%
貸付事業用宅地等200㎡50%

特例の適用には、次の点に注意が必要です。

  • 特定居住用宅地等では、配偶者が取得する場合は、居住や保有の継続は求められませんが、そのほかの相続人が取得する場合は、相続開始の直前から申告期限まで居住し、土地を保有していること
  • 特定事業用宅地等では、その土地で営まれていた事業を、申告期限までに引き継ぎ、継続すること
  • 相続税の申告書に、特例を適用する旨を記載し、遺産分割協議書の写しなどの書類を添付すること

申告期限までの居住や保有が要件になる場合は、期限より前に土地を売却すると、特例が使えなくなるため、売却の前に要件を確認する必要があります。

参照元:相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)│国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm)

登録免許税

相続した土地の名義変更をする際にかかる税金です。税額は土地や建物の評価額(固定資産税評価額)に決まった税率をかけて算出します。税率は登記の種類ごとに異なり、一般的には以下のように定められています。

  • 土地の所有権移転登記(売買による移転):2.00%
  • 土地の所有権移転登記(相続による移転):0.40%
  • 住宅の所有権移転登記(中古住宅を売買により取得した場合):2.00%
  • 住宅の所有権移転登記(相続による移転):0.40%

なお、土地だけでなく建物も相続する場合は、それぞれに税金が発生します。

印紙税

契約書や領収書、手形など、売買取引の際に作成する文書に対してかかる税金です。税額は売買代金によって異なります。

  • (売買金額が)100万円超500万円以下の場合:2,000円
  • 500万円超1,000万円以下の場合:1万円
  • 1,000万円超5,000万円以下の場合:2万円
  • 5,000万円超1億円以下の場合:6万円
  • 1億円超5億円以下の場合:10万円

なお、2027年3月31日までに作成される「不動産譲渡契約書」には印紙税の軽減措置が適用され、売買金額が1億円以下の場合は印紙税が通常の半額になります。印紙税の納付を怠ると、印紙税額の3倍に相当する過怠税を徴収されるので要注意です。

譲渡所得税

相続した土地を売却して、利益(譲渡所得)が出た場合にかかる税金です。譲渡所得の計算式は以下のとおりです。

譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)

譲渡所得税の税率は、土地の所有期間によって異なるので注意が必要です。

  • 土地の所有期間が5年以内(短期譲渡所得):30.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%)
  • 土地の所有期間が5年以上(長期譲渡所得):15.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%)

例えば、売却代金が1億円で取得費が5,000万円(譲渡費用が100万円)だった場合、譲渡所得は4,900万円です。土地の所有期間が5年以下なら税率30.63%、5年以上なら税率15.315%をかけた額が譲渡所得税です。

所有期間は、被相続人(他界した方)の分も含めて計算します。被相続人が30年所有した土地を相続した場合は、相続後すぐに売却しても長期譲渡所得の税率を適用することが可能です。

譲渡所得税を節税する方法は?

譲渡所得税は、一定の要件に当てはまった場合税制優遇を受けることができます。相続不動産の場合は、こちらの2点に注目しましょう。

  • 3,000万円特別控除
  • 取得費加算の特例

3,000万円特別控除

相続を行ってから3年以内に土地を売却した場合、そして売却価格が1億円以下の場合は、3,000万円の特別控除を利用することができます。譲渡所得には通常、所得税と住民税がかかりますが、3,000万円を控除できれば、税負担を大幅に軽減することが可能です。

なお、譲渡所得は、売却価格から購入時に要した経費の合計額や建物の減価償却費などを差し引いて計算されます。他の税制優遇と併用することはできません。

取得費加算の特例

相続した土地を売却する場合は、相続税の一部を「取得費」として加算することができます。「相続税が課されている」「土地を相続してから3年10カ月以内に売却」などの条件はありますが、特例を利用することで納税額を減らすことが可能です。

譲渡所得税がゼロになっても確定申告は必要?

譲渡所得税が発生しない場合でも、原則として不動産を売却したときは確定申告を行う必要があります。所得税法上、不動産の譲渡所得は給与などと切り離して計算する「分離課税」に分類されるため、損益にかかわらず申告が求められるからです。

また、確定申告は単なる報告義務にとどまらず、節税特例を受けるための前提手続でもあります。たとえば、譲渡所得を大幅に軽減できる「3,000万円特別控除(空き家特例)」や「取得費加算の特例」などは、確定申告を行わなければ適用されません。

申告を怠ると特例が使えないだけではなく、後から追徴課税や延滞税が課されるおそれもあります。申告期間は売却した翌年の2月16日から3月15日までと定められているので、余裕をもって必要書類をそろえておくことが大切です。

確定申告で必要な書類

確定申告に必要な書類は、どの特例を適用するかによって追加で提出する内容が異なります。基本となる書類はすべてのケースで共通ですが、3,000万円特別控除や取得費加算の特例を使う場合には、自治体や税務署などで発行される証明書類が必要となります。提出漏れがあると特例が適用されないこともあるので、早めに準備を進めましょう。

一般的に必要な書類

相続した不動産を売却した際の確定申告では、以下の基本書類をそろえる必要があります。いずれも売却価格や取得費、本人確認など、譲渡所得の計算と申告内容の裏付けに用いられます。

  • 確定申告書:第一表、第二表、第三表(分離課税用)
  • 譲渡所得の内訳書:売却価格、取得費、譲渡費用などを計算するための明細書
  • 売買契約書の写し:売却時(譲渡時)と被相続人が購入した時(取得時)の両方
  • 領収書等の写し:仲介手数料、測量費、印紙税など、譲渡費用や取得費を証明するもの
  • 本人確認書類:マイナンバーカードや通知カードの写しなど

2大特例適用時に追加で必要な書類

特例を利用する場合には、上記の基本書類に加えて以下の書類を提出します。事前に市区町村役場や税務署などで取得が必要な場合もあるので、余裕をもって準備しましょう。

①3,000万円特別控除(被相続人の居住用財産)

  • 被相続人居住用家屋等確認書(市区町村役場)
  • 譲渡所得の内訳書(5面)(税務署/国税庁HP)
  • 売却した家屋・土地の登記事項証明書(法務局)
  • 耐震基準適合証明書など(家屋が古い場合のみ。更地売却時は不要)(建築士・検査機関)

②取得費加算の特例

  • 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書(税務署・税理士)
  • 相続税の申告書控の写し(納税時の控え)
編集チームより
税金負担を軽減して
さらに「高く売る」ためのコツも知りましょう

相続した土地を売却する際には、相続税・登録免許税・印紙税・譲渡所得税と、複数の税金が関係する複雑なスキームが存在します。特に譲渡所得税は、特例の活用可否によって納税額に大きな差が生じるため、制度を正しく理解しておくことが重要です。

とはいえ、税負担を軽減できたとしても「そもそもの売却価格」が低ければ、本来得られるはずの資産価値を逃してしまうことにもなりかねません。たとえば、価格設定のアプローチ、買い手への訴求方法、囲い込みリスクの回避など、戦略的な売却術を知っているかどうかで、結果が大きく変わってきます。

当メディアでは、相続不動産を適切に、かつ有利に売却するためのコツを専門家監修のもとでまとめています。