相続した土地を売る際の流れ

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目次

相続不動産の売却をスムーズに進めるためには、一般的な流れを理解しておくことが大切です。相続不動産売却の一般的な流れは、全部で8ステップ。以下で詳しくみていきましょう。

  1. 遺産分割協議をする
  2. 相続登記をする
  3. 不動産会社に査定の依頼をする
  4. 土地の売却を依頼する不動産会社を選定する
  5. 不動産会社と媒介契約を締結する
  6. 相続した土地を売りに出す
  7. 土地の売買契約を締結する
  8. 土地を引き渡す

1.遺産分割協議をする

まず行いたいのが、遺言書があるかどうか確認することです。遺言書がある場合は遺言書に従って手続きを行い、遺言書がなく相続人が複数人の場合は、遺産分割協議を行います。協議で確認する内容は、主に以下の5つです。

  • 法定相続人の人数
  • 遺産の内容
  • 遺産の評価額
  • 特別受益・寄与分の有無
  • 具体的な財産の分割方法

財産の分割方法には、「現物分割」と「代償相続」「換価分割」の3種類があります。「現物相続」は不動産や預貯金、有価証券などをそのまま相続する方法です。「代償分割」は、誰か一人が一括で相続し、他の相続人の相続分を現金で支払う方法、「換価分割」は相続財産を全て売却して換金し、相続人で分割する方法です。どの方法にもメリット・デメリットがあるため、後で揉めないよう、相続人全員が納得できる方法を選ぶことが大切です。

遺産分割協議の期限は、法律で決められているわけではありません。しかし一般的には四十九日が過ぎるのを待ってから行うケースが多いようです。

2.相続登記をする

相続した土地を売却する場合は、相続登記をしなくてはなりません。相続登記とは、土地の名義を故人から相続人に変更する手続きのことです。2024年(令和6年)4月1日から義務化されました。

相続登記をしないまま放置をしていると、相続財産は相続人たちの共有財産とみなされます。売却できないだけでなく、他の相続人が自分の持ち分を勝手に登記して売却したり、相続人の死後にさらに相続人が増えて手続きが複雑になったりするので注意が必要です。

なお、正当な理由なくして相続登記をせず放置した場合、10万円以下の過料(罰則)の対象となる恐れがあります。相続が発生したら速やかに登記手続きを済ませましょう。

不動産を放置するリスク

相続した土地や建物を長期間放置すると、管理が行き届かず老朽化が進みます。外壁や屋根の破損が増えれば、倒壊や近隣への被害につながるおそれもあるので注意が必要です。

また、たとえ当該不動産を利用していなくても固定資産税や都市計画税の支払いは続くため、費用負担が増えます。また、放置期間が長いほど資産価値も下がる傾向にあります。

相続登記に必要な書類

相続登記を行うには、相続の形態ごとに必要書類が異なります。

法定相続では、被相続人の戸籍謄本や相続人全員の戸籍・住民票などを用意します。遺言による相続の場合は、遺言書の写しと検認済証明書が必要です。なお、遺産分割協議による登記では、協議書と相続人全員の印鑑証明書を添付します。

3.不動産会社に査定の依頼をする

次に行いたいのが、遺産の評価額を確定させることです。預貯金や金融資産はともかく、不動産や車、非上場会社の株式の価値は専門知識がないと分かりません。特に不動産には、「固定資産税評価額」や「相続税評価額」、「取引査定金額」や「鑑定評価額」などさまざまな評価額があるため、「よく分からない」という人が多いようです。

おすすめは、不動産会社に査定の依頼をすることです。相続に詳しい会社なら、査定だけでなく、その後の売却活動までサポートしてくれるかもしれません。ただし、遺産の評価額を巡ってはトラブルが発生しやすいので要注意。相続人それぞれが不動産鑑定士に依頼し、時価を争うケースもあるようです。

土地の境界が確定しているか確認をする

査定を依頼する際には、境界線が確定しているかどうかも確認してもらいましょう。土地の境界は、登記や地積測量図、地籍調査図面などで確認することができます。

万が一境界が曖昧なまま売却してしまうと、後でトラブルに発展しかねません。登記記録や地積測量図などで確認ができない場合は、土地家屋調査士などに測量を行ってもらいましょう。

相続税がかかるかどうかを確認する

相続税は、各相続人が受け継ぐ財産に応じて課税されます。ただし相続税は、遺産総額から基礎控除分を差し引いて、基礎控除を上回らない場合は発生しません。

基礎控除額は、以下の計算式で算出します。

基礎控除額:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

万が一高額な相続税が発生し、手持ちの資産で納税できない場合は、相続不動産の売却額を納税資金に充てるのも一つの手段です。ただしこの場合は、期限内に売却を進めることが大切です。

相続税の申告方法

相続税が発生する場合、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内に、相続人が申告と納税を行う必要があります。手続きは、相続人の住所地を管轄する税務署で行い、財産目録・遺産分割協議書・不動産の評価明細書などを添付します。

なお、不動産の申告額を正しく算出するには、土地や建物の評価、特例の適用判断など専門知識が欠かせません。誤りがあると追徴課税の対象になるおそれもあるため、税理士に相談しながら準備を進めるよう推奨します。

相続税の優遇措置

  • 配偶者の税額軽減

配偶者が取得する遺産については、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い額まで相続税がかからない制度です。配偶者の生活を保護する目的で設けられています。

  • 未成年控除

20歳未満の相続人は、年齢に応じて一定額を控除できます。満20歳になるまでの年数1年につき10万円を差し引くことが可能です。若年層の生活支援を目的とした制度です。

  • 障害者の税額控除

障害者である相続人には、年齢に応じて控除が認められます。一般障害者は1年につき10万円、特別障害者は20万円を控除することができます。障害者の生活基盤の維持を支援する制度です。

  • 相次相続控除

短期間に相続が重なった場合、二重課税を防ぐために相続税額の一部が控除されます。前回の相続から10年以内に再度相続が発生したときに適用される制度です。

  • 外国税額控除

国外の財産に対して海外でも課税された場合、外国で納めた税金分を日本の相続税から差し引くことができます。国際的な二重課税を回避するための制度です。

4.土地の売却を依頼する不動産会社を選定する

査定結果や対応などを比較して、売却を依頼する不動産会社を選定します。少しでも高く売りたいなら、複数の不動産会社を比較した上で選ぶのがおすすめです。不動産会社によって得意とする物件の種類や地域が異なるため、同じ物件でも売却価格が大きく異なる場合があります。

不動産会社の中には「囲い込み」という手法を使って、売主が気付かぬうちに損をした状態で売却しているケースがあるのです。囲い込みをしているかどうかは素人にはとても分かりづらいものなので、不動産会社選びも重要になってきます。

当メディアでは株式会社フリーダムリンク監修のもと、囲い込み対策や土地を高く売る方法についてまとめています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

5.不動産会社と媒介契約を締結する

媒介契約とは、土地の売却先を探してもらうために不動産会社と結ぶ契約のことです。媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つの種類があります。それぞれの特徴は、以下の通りです。

  • 一般媒介契約:複数の不動産会社と同時に契約ができる。自分で買主を見つけることも可能
  • 専任媒介契約:一つの不動産会社とのみ契約できる。自分で買主を見つけることは可能
  • 専属専任媒介契約:一つの不動産会社とのみ契約できる。自分で買主を見つけることもできない

3つの契約形態にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、特徴を把握して適切な媒介契約を選びましょう。

6.相続した土地を売りに出す

「売却希望額はどれくらいか」「売るまでのスピードは」「スピードと金額どちらを重視するか」など不動産会社と話し合い、売却価格が決まったら、いよいよ販売活動のスタートです。

不動産会社は、まず全国の不動産会社に情報が公開される不動産流通機構レインズに物件を登録。物件情報サイトや住宅情報誌、チラシなどで広報活動を行い、購入希望者を募ります。購入希望者が現れたら、見学対応なども行ってくれます。

売買交渉では、具体的な価格や支払い交渉、引き渡し時期などについて交渉・調整を行います。値引きを迫られる場合もありますが、慎重に判断することが大切です。

7.土地の売買契約を締結する

具体的な価格や支払い交渉、引き渡し時期などについて合意が得られたら、売買契約を結びます。売買契約は、売主と買主が直接対面し、不動産会社の宅地建物取引士立会のもとで行います

重要事項や契約書について説明を受けた後、売主と買主それぞれが契約書に記名、捺印。買主から手付金が支払われたら、売買契約は締結です。

8.土地を引き渡す

残りの代金は、土地の引渡しの当日に支払われるのが一般的です。代金決済をしたら、当日中に司法書士が法務局に行き、売主から買主へ所有権移転手続きを行います。登記上の所有者を売主から買主へ変更できれば、引渡しが成立します。

土地の売却で利益が出た場合は、確定申告も忘れず行ってください。

9.確定申告を行う

土地を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、翌年に確定申告を行う必要があります。譲渡所得は「売却額-取得費-譲渡費用」で算出され、この譲渡所得に基づいて課税額が決まります。

取得費には購入時の代金だけではなく、登記費用や測量費なども含まれますが、これらを取得費に含めるためには、被相続人が購入した際の売買契約書や領収書が必要です。もし、これらの資料が見つからない場合は、概算取得費として売却額の5%で計算される可能性があるため、早めに書類の所在を確認しておくようにしましょう。

確定申告の方法

確定申告は、税務署窓口、郵送、e-Taxのいずれかの方法で行います。

申告書には売買契約書や仲介手数料の領収書、登記費用などの添付が必須です。特例を利用する場合は、あわせてその証明書も提出します。

なお、相続で取得した土地は取得費や特例の判断が複雑なため、誤りなく申告するためにも税理士への相談を推奨します。

確定申告タイミング

確定申告は、原則として売却した年の翌年2月16日から3月15日までに行います。この期限を過ぎて申告・納税を行った場合、延滞税や加算税が発生する可能性もあるのでご注意ください。申告期日は税務署が混雑するため、早めに準備と申告を済ませるようにしましょう。電子申告に抵抗がなければ、そのほうがスムーズです。

なお、税金を払いすぎた場合の還付申告には、5年間の猶予期間があります。期間内であれば過去分の還付申請も可能です。

編集チームより
流れを正しく知ることがスムーズな売却への近道
さらに「高く売る」ための視点も持つと良いでしょう!

流れを正しく踏むことが、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな売却へとつなげる第一歩です。しかし、どれだけ手続きが正確であっても、それが「良い条件で売れた」ことを意味するとは限りません。実際の市場では、売却戦略の有無によって成約価格に大きな差が生まれるケースも少なくありません。

当メディアでは、土地をより高く売るための実践的なノウハウを紹介しています。もし少しでも高く売りたいと考えている方はぜひこちらもチェックしてみてください。

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