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相続によって取得した土地を売却するためには、名義変更(相続登記)を済ませておく必要があります。被相続人の名義のまま売却手続きを進めても、最終的な引き渡し段階で手続きが止まってしまうためです。この記事では、相続登記の必要性や手続きの流れ、売却との並行スケジュールについて解説します。
相続によって取得した不動産を売却する際は、先に名義変更(相続登記)を完了させておく必要があります。被相続人の名義のまま売却手続きを進めようとしても、決済段階で手続きが止まってしまうケースが発生するので注意しましょう。
不動産の名義が故人のままでは、買主へ所有権を移転する登記手続きができません。決済当日、司法書士が登記申請書類を作成する際に名義の問題が発覚すると、買主が利用する住宅ローンの実行も停止します。この場合、売主として引き渡しの義務を果たせず、取引そのものが成立しなくなります。
売買契約自体は、相続登記を済ませていない段階でも締結できる場合があります。ただし、買主への引き渡し時点で名義が相続人のものになっていなければ、所有権移転登記の手続きは行えません。売却活動のスタート自体は名義変更前でも問題ありませんが、決済日までには必ず登記を完了させておく必要があります。
2024年4月より、相続登記の申請が法律上の義務となりました。
不動産を相続したことを知ってから3年以内に申請しなければならず、正当な理由なく期限を過ぎた場合は10万円以下の過料が科される可能性があるので注意しましょう。後回しにせず、早めに手続きを進めることをおすすめします。
土地を売却する場合、査定依頼から買主への引き渡しまで数カ月を要するケースも少なくありません。ただし、「決済はまだまだ先の話」として悠長に構えていると、決済日までに名義変更が完了せず、売買手続きに支障をきたすおそれがあります。査定や媒介契約、買主探しといった売却準備に着手したら、相続人同士で話し合いのうえ、早めに名義変更のスケジュールを確定させましょう。
遺産分割協議がまとまってから実際に登記が完了するまでには、ある程度の時間が必要です。戸籍謄本の収集や評価証明書の取得だけでも1カ月程度かかることがあり、法務局へ申請した後も審査に1〜2週間ほどを見込んでおく必要があります。
書類の補正対応が発生する場合も考慮し、余裕を持ったスケジュールを組んでおくようにしましょう。
逆に、名義変更の完了を待ってから売却準備を始めると、余分に時間がかかってしまいます。登記手続きを進めながら不動産会社へ査定を依頼し、準備期間を短縮するようおすすめします。
先に不動産会社と媒介契約の内容や売却方針を決めたうえで、決済が想定される時期から逆算し、司法書士と登記のスケジュールをすり合わせておくと良いでしょう。
被相続人の戸籍書類は、法定相続人を確定するために必ず必要です。被相続人が本籍地を何度か移している場合は、以前の本籍地まで遡って請求します。途中の戸籍が1通でも欠けていると法務局から補正を求められるので、役所の窓口では「出生から死亡までの連続したもの一式」と伝えて取得の段取りを立てましょう。
遺産分割協議によって相続登記を行う際は、協議に参加した相続人全員の同意を証明する書類が必要です。相続人の人数が多くなるほど準備する書類も増えていくため、できるだけ早い段階で相続人の範囲を明確にしておくことが大切です。
固定資産税評価証明書は、登録免許税を計算する際の根拠資料として添付を求められます。また、登記事項証明書は地番や地目、面積、現在の権利関係などを確認するために用いるもので、売却時の査定や資料準備の場面でも使用頻度の高い書類です。
相続による所有権移転登記にかかる登録免許税は、固定資産税評価額に0.4%を乗じて算出します。たとえば評価額が1,000万円の土地であれば、1,000万円×0.004=4万円となります。計算の際は課税標準額の1,000円未満を切り捨て、税額についても一定のルールに沿って端数処理が行われます。
評価額は固定資産税の課税明細書や評価証明書で確認が可能で、複数の土地がある場合は筆ごとの評価額を合計して計算します。税額の納付は収入印紙などで行います。
司法書士に相続登記を依頼した場合、報酬の目安はおよそ5万円から15万円程度です。相続人数や土地の筆数、戸籍追跡の程度、遺産分割協議書の作成の有無などの要因で金額は変動します。また、司法書士報酬とは別に、登録免許税や戸籍・評価証明書の取得費用などの実費が必要です。
売却を予定している場合は決済日に間に合うよう名義変更する必要があるため、早めに見積もりを依頼してスケジュールをすり合わせておいてください。報酬額は事務所によって異なるため、複数から見積もりを取って比較すると良いでしょう。
一定の要件を満たす土地については、登録免許税が免除される制度があります。代表的なケースとしては、課税標準となる土地の価額が1筆あたり100万円以下の場合で、相続による所有権移転登記などが対象になります。また、相続によって土地を取得した方が登記を済ませる前に亡くなった場合の登記についても、免税の特例が設けられています。いずれも令和9年3月31日までの時限措置となります。
価額の判定には、固定資産課税台帳に記載されたものを採用します。複数の土地がある場合は筆ごとに判定し、共有持分がある場合は持分割合に応じて計算します。
名義が祖父母、または、さらに前の世代のままになっている場合、相続が何度も発生している状態です。この状態で法定相続人を確定させるためには、非常に古い戸籍を本籍地ごとに遡って取得する必要があります。相続人の数が増えるほど遺産分割協議書への署名・押印も膨大になります。相続人の中に連絡が取れない方がいれば、協議そのものが進みません。そのため、登記完了まで長期間を要することもあります。
放置された期間が長いほど手続きは複雑になります。素人が自力で対処することは非現実的なので、早めに司法書士へ相談して段取りを整理してもらいましょう。
共有名義の相続人の中に売却へ反対する方がいた場合、そのままでは売却を進められません。共有状態の不動産を売却するには、共有者全員の同意が原則として必要になるためです。自分の持分だけを売却することも不可能ではありませんが、買い手を見つけるのは非常に難しく、価格交渉でも不利になりやすい売却方法です。
こうした場合に備える方法として、代表者1人が単独で相続したうえで、不動産の売却後に得た代金を相続人で分配する「換価分割」という方法が有効です。換価分割を選べば、売却の意思決定も手続きも一本化するので、売却全体の流れがスムーズになります。
権利証(登記識別情報)を紛失しても、再発行はできません。ただし、売却時の手続きは別の方法で進められます。司法書士に本人確認の書類を作成してもらえば、権利証がなくても登記申請をおこなうことができます。
本人確認の書類作成手続きには時間がかかるので、決済日が近づいてから紛失に気づくと対応が間に合わなくなる可能性があります。早めに司法書士へ相談して対応方法を確認しておきましょう。
相続登記を自分で行えば、司法書士への報酬を支払わずに済むため費用を抑えられます。手続きにかかるコストを把握したい方にとっては魅力的に感じられるかもしれません。
しかし、戸籍書類に不足があったり書類の書式に誤りがあったりすると、法務局から補正を求められて決済日までに登記が完了しない事態も起こり得ます。売却を予定しているのであれば、費用節約を優先するか、確実性を重視して司法書士に依頼するか、慎重に検討する必要があります。
不動産仲介会社が提携している司法書士に依頼すれば、決済日に合わせてスムーズに登記申請の準備を進めてもらうことができます。
売却の決済と所有権移転登記は通常同じ日に行われるため、スケジュールにズレが生じるとトラブルの原因になりかねません。登記書類の事前確認から金融機関とのやり取り、当日の本人確認まで一連の流れを把握している司法書士であれば、取引全体の安全性を高めることにつながります。
相続で取得した土地を売却する際、名義が被相続人のままだと引き渡しができません。2024年4月からは相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内の申請が必要となりましたが、登記完了を待ってから売却準備を始めると余分に時間がかかるため、査定依頼や販売活動と並行して登記手続きも進めておくようにしましょう。
売却に関連する費用としては、登録免許税や書類取得の実費などがかかります。司法書士に依頼する場合は報酬も必要になります。手続きが複雑になりそうな場合は、たとえコストがかかっても早めに司法書士へ相談しておいたほうが良いでしょう。手続きに不備があると決済が遅れるおそれがある点には十分にご注意ください。